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サリーちゃんの冒険・第二話



                       になったサリーちゃん


aa a a aa
ステキなサリーちゃん キョダイなヒヒ
 上の画像はいずれもネット上にあったものを無断借用

                            



プロローグ

 真夜中、サリーちゃんはふっと目覚めました。何だか体の感触がいつもと違うので
枕元の電気スタンドのスイッチを入れました。

 
「あれ なによこれ?」それもそのはず、いつものパジャマではなく幼い男
の子用みたいな、ちんちくりんの服を着ていたからです。ズボンは小さすぎて
アソコニ
クイコンデ
(←思い出しまんなあ、沙里さん−以下さりさんと呼ビマス。)痛くてたまりません。
「なんでかしら?」
と不思議でしたが、すぐに記憶が蘇ってきました。

 
「そうだ、これグリムの森で坊やに借りたんだわ。でもどうしてそうなったのかしら?」

 それだけは思い出したのですが、それ以外のことはすっかり忘れてしまっていたの
です。

 「とすると、あれは夢なんかじゃなかったっていうことになるじゃない???」


 サリーちゃんは、なんだかグリムの森が無性に恋しくなってきました。やもたても
たまらなくなってきて、どうしたら行けるのか考えているうち、バレエ教室の鏡のこ
とを思い出したのです。

 
「そうだ。あそこから行けたんだわ。でも鏡のあいつまた出てきてくれるかしら?」

 とにかく、自分の服に着替え行ってみることにしました。
「これは返さなきゃ。」
と、坊やの服はちゃんとたたんで持って出ることにしました。

 こっそりお家を抜け出すと、わりと近くのバレエ教室にすぐ到着したのですが、真
夜中のことですから鍵がかかり電気も消え中に入れるわけがありません。でも諦めず
建物の周りを調べているうち、ロック忘れの窓を見つけ、真っ暗なお稽古場に忍びこ
むことができました。手探りで電気のスイッチを入れると、早速あの鏡の前に立ち、
自分の姿を映して、手をあげたり顔をゆがめたりするのですが、いくらそうしてみて
も自分と同じ動きをするばかりです。

 
「やっぱりあいつ来ないわ。よおし、こうなったら鏡にぶつかってみよう。」

 目をつむってそうしますと、あららフシギ! スゥーと通り抜けられたではありま
せんか。

 薄暗い無重力空間のようでしたが、もうこの前のような不安はなく、泳ぐように前
へ前へ進んでいきますと、やがて向こうのほうがだんだん明るくなってき、とうとう
坊やに出会った森に到着しました。でも、坊やがしょんぼり腰掛けていた大きな切り
株には誰もいません。それに森の中がやけに静かでした。前に来たときは、小鳥のさ
えずりが音楽のように流れていたし、それに合わせるように、うさぎやバンビやリス
たちもいっぱい飛び跳ねていたものでした。

 
「がっかり! せっかくやってきたのに。・・・・・そうだ! 赤頭巾ちゃんのと
ころに行ってみよう。あそこで遊んでるかも。」


 そこへの道順は思い出せたので、行ってみることにしました。じきにお家が見えお
花畑も見えてきました。お花畑の中に、大きさの違う子供が二人寝そべっているのが
見えました。

 うれしくなり、
「ボウヤ〜! アカズキンチャ〜〜ン!」と駆け出そうとしました
が、なにやら二人の様子が変なのです。よく見ると、赤頭巾は上半身ハダカで、その

ちっちゃくもキレイなおっぱいに坊やがむしゃぶりついている
のでありました。坊や
はマルハダカでした。きっと、さっきサリーちゃんに貸したままだったのでしょう。
坊やの手はというと、赤いスカートの内に差し込まれてもぞもぞ動いているようでし
た。どこをどうしているものやらわかりませんが、赤頭巾のかわいい口からは、

 「アハン! イヤン! アァン! イイワ〜!」
とセツナイアエギゴエが漏れてい
るのです。

 サリーちゃんはドギマギ、ドギドキ眺めているよりありませんでしたが、すぐに二
人のアイノイトナミは終わりました。

 
「あ〜〜、ヨカッタワ。坊やのおかげで上位入賞できるかもよ。アリガトー。」

 乱れた服を直しながら赤頭巾はいいました。

 
「コンテスト、もうすぐはじまっちゃうよ、赤頭巾姉ちゃん。急がなきゃ!」

 と、どこかへ手に手をとって出かけそうになったので
、「まって〜!」と慌てて呼
びとめました。二人は振り返ると、
「見られたのかも?」と、恥ずかしそうにもじも
じしていましたが、すぐそ知らぬ風を装って
、「あっ、サリーちゃんだ!」「また会
ったわね、ようこそ。」
と喜んで迎えてくれたのです。「これ、坊やのでしょ。」
小脇にかかえていた服を渡すと、

 
「あ〜〜よかった。ボクのおうちニッポンイチノビンボー(←誰かと混同なさらぬよう。)やさ
かい着替えがのうて困ってたんやわ。」
といい、素早く身に着けました。

 
「今思い出したんだけど、赤頭巾ちゃんにもお洋服借りてたんだ。でもなんで借り
たのか忘れちゃったし、どこにやっちゃったのかもわからないの。ごめんね。」

というと、赤頭巾ちゃんが、「いいわよ。そのこと坊やから聞いてるから。たいへ
んだったのね。仕方ないよね。」
と応えるのでサリーちゃんは「???」

 
「サリー姉ちゃん、コンテストに出ない? 姉ちゃんならきっとイットーショー取
れると思うよ。ボク魔法使いのおうちで吸い込まれそうになったもんね。」


 と坊やが言いだすので、
『コンテストって何の? 魔法使いのおうちでって、いっ
たいなんのこと言ってるのかしら?』
と怪訝に思いましたが、なんだかとっても面白
そうに思えたので、問い返さず二人についていくことにしました。








                                             

                                        

                                   

                              

                          

                          








. 吸引コンテスト開催

 しばらく木々を縫うように森の中を歩いていくと、パッと目の前が開け、大勢の群
集でいっぱいの広場に出たのです。群集といっても、森のけものたちばかりで人間は
いないようです。どうりで森にきたときシンとしていたはず。森の生き物はゼ〜〜ン
ブここへ集まっていたのです。まるでぬいぐるみのようなお猿や小熊、小象、狐、カ
メさんなどに混じって、堂々としたライオンや虎もおりました。小鳥やペリカンたち
もお空で飛び回っておりました。ナントなんと今話題の
レッサーパンダまでいるでは
ありませんか。それも背伸びして立っております。
 中に一匹、ひときわ大柄で毛むくじゃらの
オランウータンゴリラみたいのが目に
入ると、サリーちゃんはなぜか体の芯が
カアーッと熱くなるのでした。

 会場の入り口には受付があり、係りの
チンパンジーが声をかけてきました。

 
「遅かったじゃないか赤頭巾ちゃん。もう来ないのかもしれないと思ってたよ。さ
ささ、これが出場の札だよ。これを持って最前列に並ぶんだ。アッ、そこの見慣れぬ
お嬢さん、あんたも出場するのかい? いいよ、いいよ大歓迎。赤頭巾ちゃんと一緒
にはやく行った、イッタ。それから坊や、ここは男は入場禁止ってこと知ってるね。
終るまでおとなしく待っているんだよ。」


 ふたりは群集をかき分けカキワケ、一段高くなっている舞台を目指しました。坊や
は仕方なしに近くの木によじ登って観戦するしかありませんでした。

 やがて花火を合図に舞台の上に森の長老、司会のヤギ村長が登場し、開会を宣言し
ました。

 
「皆さん、ご静粛に、セイシュクニ〜! お待ちかね〜、グリムのアイドルたちに
よる吸い取り合戦の始まりハジマリにござ〜〜〜〜い! ルールは簡単。この台に置
かれたどんぐりを
、オンナノブキだけで一番近くに引き寄せたものが優勝とナリマ〜ス
今回の優勝者には、ロミオ王子とイチヤをスゴセルという大特典が与えられるので
ございマ〜ス。」
(えっ、「これってロミオ王子の特典なのでは?」ですと。違いまっせ、さりさん。というのは、
夜毎ジュリエットに何度もしつこく求められうんざりしているのを
ムリヤリ役目を頼んだのですから。)

 一斉にあがる大歓声と拍手、口笛。会場は興奮のルツボと化しました。そんな最中
誰かの醒めた声が響きました。

 「アタシ、ジークフリート王子でなきゃヤだ。」と最前列の参加者の一人、オデッタ姫。

 「それならゴシンパイな〜く。グランプリに輝けば、ワタクシが全責任もってどなたでもお望み
のお相手と
ッタイっきんぐできるようトリハカラッテあげまショ〜ヨ。」

 それを聞いてほっとひと安心のオデッタ姫。
(優勝すると決まったわけやおへんのにね。)

 
「相手が誰であろうと、入り口のみならず奥のキンニクを、雑巾や牛の乳絞るように妖しく
活躍
させてセーシをいっぱい絞りとり、ステキな赤ちゃんをヤドシテクダサイネ。 トップバッタ
ーはゲスト参加のセーラムーン! それではオネガイシマ〜〜ス。
             では競技スタート!

 
勢いよく壇上に駆け上がったセーラムーン、しつらえられた台の真ん中に置かれた
どんぐりを見て、
「ふふん、こんなのアサメシマエヨ! テンニカワッテオシオキヨッ!」と、
台に向かいましたが、
 

「あっ、台の高さ調節せにゃあ。ソレそこのハンドル回してね。そのまんまじゃどん
ぐり動きにくいよ。それに下のもの脱がなくていいのかい。露出せにゃチカラがオ〜
ハバに減衰しちゃうよ。まあ初出場だから知らないのムリないけどね。」と注意するヤギ村長。

 
「えっ、脱ぐの? こんなに大勢の前で! 人間の男は誰もいないっていっても、
やっぱりはずかし〜な〜。それになによ、あのいやらしそうな、目、・・・.。.
おんた(関西での意。ちなみに"めんた"。)ばっかりみたいじゃない。でもわざわ
ざ遠くから来たんだから・・・。エエイ脱いジャエ。」


 こう言うと、セーラは思い切ってズボンとぱんつをズリ下ろしました。と同時に一
斉にあがる歓声と口笛。

 
イヨォッ! マッテマシタ〜〜ッ!ウわあ〜〜っ! キレイダァー!ピーィーッ!

 教わったとおり、台の側面にあるハンドル回して台の高さをソレにあわせると

   う〜〜んう〜〜んう〜〜んう〜〜んう〜〜ん ぅ〜〜んッ

 ほっぺたをふくらませ真っ赤な顔して
イキミだしました。

 
ちょっとちょっとセーラちゃん、それじゃどんぐり向こうへいっちゃうよ。イキム
んじゃなくイキムんだよ。」
(ワタクシ、イキムの対語を知らないもので、どちらもイキムでいきます。)

 っと両手でッピロローッ でなきゃどんぐりクともンゾー
    「
ンバレ〜〜〜ッ」 「クマデセロ〜〜ッ

 などと外野席から野次が飛んできます。それらの声をハゲミに、セーラは精いっぱ
いガンバリマス。するとややあってどんぐりはかすかに揺らいだように見えました。
そこでチ〜〜ンと鐘が鳴り、

 
「は〜いご苦労さまでした。引き寄せたのはイチミリ未満といったところですね。
見かけによらず吸引力が弱いですね。もっと修行を積んで出直してくださ〜〜い。 
さ〜て、お次の選手は前回の覇者白雪姫早くも登場。くじ順だから仕方ないですね。
ど〜ぞこちらへ。」


 
群集は一挙に騒然となりました。壇上に現れたとき白雪姫はすでにカハンシンには
何も身に着けており
ません。それはもうつやつやとまぶしいほどに輝く真っ白な肢体
(蝿が飛んできてフトモモのあたりに止まろうとしましたが、ツルッと滑って地面に墜落し、タ
ンコブこさえてキゼツしてしまいました。)


 その妖しくも美しい姿に、中には鼻血を出しているヤツやら、もったいなくも卒倒
してしまうヤツまでおります。リスボウなんか小さな心臓を破裂させあっけなく昇天
してしまいました。手馴れた手つきでハンドルを回し、高さを調節し自分のソレを台
の縁に据えると、両手でソレを左右に破けるほどひろげ、
紅いビラビラしたものを惜し
もなく開陳しました。そして身をエビのように反らせ、エエイッ!と可愛い気合イッパツ!

 するとどうでしょう、どんぐりはコロコロ引き寄せられ、ソノ手前5センチくらい
のところで止まりました。群衆の興奮が頂点に達したのはいうまでもありません。そ
の物凄い大歓声は耳を覆うばかりでした。中でも七人の小人の騒ぎよう、喜びようっ
たらありません。空中にマリのように弾んでおります。
(エッ?「人間の男はいないはずな
のに矛盾するわよ。」ですと。
ナンセンス童話なのだから、とやかく言わないでネ、さりさん。)

 ここで
キンコンカ〜ンと鐘が連打されました。

 
「オ〜ッ! さすが前チャンピオン。その距離44センチですね。でも前回より2
センチ下回りました。もひとつ調子がでなかったミタイですネ〜。でもリッパな記録
で〜す。」

 『ゆうべ小人たち7人も一度に相手にしたのがいけなかったのね。やつらナメタリ
スッタリカンダリアソコばっかイジクリまわすんだもん。きっとキンニクヒロウおこ
しちゃったんだわ。しつこいんだからあいつら。ヤンナッチャウ、ったく。』


 とぶつぶつつぶやきながら退場する白雪姫。
(あれほどカンキのゼッキョーあげてモダ
エクルイノタウチマワッテタのにヨクユーヨ。)


 
「サ〜テ、お次に挑戦なさるのはシンデレラ〜。ド〜ゾこちらへおでましくだサ
〜〜イ。」


 ・・・と、この調子で行事は進行していきます。次から次へと登場しては、
恥じ
らいなんかクソクラエッ
とばかり、マタカキヒロゲ自慢のキュウインリョクを披露する
グリムのアイドルたち。オーロラ姫、マッチ売りの少女(オランダから移住シテキタ
ノデス。)、オヤユビ姫
(小さいけどその力は物凄く、自分の体ほどもあるそれを2センチも
吸い寄せました。ハンディ戦なら文句なく優勝でしょう。)


 でも
オズの魔法使いが登場したときは、観衆はなり一斉に顔をそむけ、悲鳴
に近い罵声を浴びせました。

メテクレェ〜〜」 「モチワリィ〜」 「ソババァ、ッコメェー

メーノ出る幕ジャ〜〜ッ」 「エェ〜〜〜〜〜ッ

ヌマデシガエナクナリ

 吐き気を催さないもののほうが少なかったくらいでした。

 マ、それはさておき、どの娘も舞台を降りるときは力を使い果たしよろけていまし
た。でも白雪姫に敵うものは誰もいません。みんなの平均はだいたい20センチ前後
くらいでした。僅かに赤頭巾が35センチと好成績をあげたくらいです。ちなみに、
はじめだだこねていたオデッタ姫は口ほどにもなくわずか9センチでした。その間の
群集の騒ぎたるや筆にするまでもないでしょう。









                                             

                                        

                                   

                              

                          

                          








. サリーちゃん登場


 サリーちゃんにクライマックスを演じてもらう前に、ここでちょっと坊やの様子も
みておきましょう。会場の外の木によじ登って観戦していた坊やでしたが、いかんせ
ん、そこからは肝心の舞台が遠すぎてよく見えないのです。ただ歓声の大きさで選手
の成績を判断するよりありません。毎年のこととはいえくやしさで歯ぎしりしており
ました。でも白雪姫や赤頭巾が優秀な成績をおさめたときは、やっぱり喜ばずにはい
られませんでした。
「ボクもアソコまいにち鍛えてあげてるもんね。」
 (エッなにナニ? 「前の話じゃ、"線一本"とかいって坊やはソレをよく知らないみたいな想定だったのに、
 つじつまがあわないじゃないの?」ですと。 ナンセンス童話であることをお忘れですか、さりさん。)


 また坊やには大きな楽しみがあって、それを今かイマカとわくわく待ちかねておっ
たのでありました。それはもちろんサリーちゃんの出番にです。

 
「魔法使いのお家でボク吸い込まれそうになったさかいな〜。めっちゃスゴおまし
たよ。
あのときのチカラ出したら優勝しまっせ。」(いつの間にやら関西弁になってる坊や。)



 話を戻しましょう・・・。コンクールもいよいよ大詰めを迎えておりました。

 「さ〜て、ラストバッターのお嬢さん、長らくお待たせしました。ど〜ぞこちらへ。
締めくくりに大技を披露してくださいませね。 ・・・アレッ、見かけないお方です
ね。飛び入りですか。お名前は? エッ、えっ、サリ・・・さりさんデスカ? ハッ
キリ聞こえませんが?・・・ ナニ〜? サリーとおっしゃるんですか。ド〜モ失礼
をばいたしました。ようこそイラッシャイマセ。それにしてもチャ〜ミングなオヒト
ですね。これがビジンこんてすとなら文句なく優勝ですよ。ハハハ。ではオネガイシ
マ〜ス。45センチ以上ならアナタの優勝ですよ〜。サアハリキッテマイリマショ〜
〜ッ!」













 胸に大きな星マークの入った黒いTシャツに、赤頭巾のとはまた違う赤帽子、足を
長く見せるためか超ミニショートパンツというカッコイー姿で壇上に元気よく駆け上
がったサリーちゃん、まず司会者に


 「本番前に得意の踊りを皆さんにお見せしてかまわないかしら?」


 と言ったと思うやいなや、許可も得ず踊りだしました。観衆は野次を飛ばすのも忘
れあっけにとられ、見たこともないモダンなダンスに見とれておりました。元気いっ
ぱい、ハツラツと弾むように踊り終わると、一瞬間をおいて沸き起こるヤンヤの拍手
喝采。

 シの使い方ッチャメェーォ〜

ンナノニメツケラレタラブレチャウ〜

ホヌカセ、イコマレテッコカラキヌカレテシマウニ
マットルヤンケーッ

イラノコトタイタイタイタイォ〜〜〜


 とヌグ前から早くもこのモノスゴイ野次と歓声です。シンボウタマラズ舞台に駆け
上がろうとするヤツも少なからずおりましたが、周りに押さえつけられ、寄ってたか
ってボコンボコンに殴られております。


 中にはこんな野次も。

ャッホーッ! ケルコトモデキナイオドシーッ!!

 
クッ! 正体ミヤブラレタカ!

 声の主をみつけキッと睨み据えるさりさん、おっとイイソコナイ、サリーちゃん。
震え上がる
イタチのヘコキヤロウ

 本番に入る前からもうこのチョーシです。何人ものやり方を見てもう手はずは頭に
入っていますから、サリーちゃんはおもむろに下のものを脱ぎ捨て台に向き合いまし
た。みんなのやったようにソコを思いっきりカキヒロゲ

ウ〜ンウ〜ンウ〜ンウ〜〜ンッ!!

 と身をのけぞらせ
イキミます。でもどうしたことかどんぐりはビクともしません。

「オヤユビ姫でも動かしよったのに・・・。アタシッテダメネ〜。」







                                             

                                        

                                   

                              

                          

                          








. 宇宙を吸い込んだサリーちゃん


「オヤユビ姫でも動かしよったのに・・・。アタシッテダメネ〜。」

 と諦めかけたその時です。最後列から群集の頭をまるで地面にして踏みつぶしなが
ら、何かデッカイのが飛ぶように向かってきます。

グワォホォホォホォホッホワッワッ

ワッホオッ!!


 そいつが何者かはいうまでもありません。近くに来ると、ヘソの下あたりから突き
出している何かが目に入りました。それは
テカテカ赤黒く光るドデカイツチノコ
した。そいつが鎌首もたげてピクピクしているのを見て、サリーちゃんはすべてを思
い出しました。

〜〜ッ レアレレヨ〜〜

あの思いもう一度できるなら

ンデモ ーッ!


 
焼け火箸が体を突き抜けるとは、まさにこういう感覚をいうのでしょう。すると自
分でも信じられないくらい力がムラムラムラッと湧き上がってきて

アーッ!

 と気合をかけますとどうでしょう! どんぐりは空中に浮き上がり目にも留まらぬ
スピードで吸い寄せられたと見るや、アソコに飛び込んでいったではではありません
か! どぎもを抜かれた観衆が一瞬沈黙した後、大喝采の嵐を浴びせようとしたその
時です。何か異変に気づき静まり返りました。

 というのは、イチバン近くの痩せたヤギ村長のみならず、どんぐりの置かれていた
台までがズルズル引き寄せられていったからです。それは近づくにつれ形をゆがめ、




 どうやらサリーちゃんのソノ奥は
ブラックホールとなり、その周りは
ポロジー空間に変じてしまったようです。

 その歪んだ空間は瞬く間に放射状に伝播していきました。狒狒も広場の群集もナニ
モカモいっしょくたにまとめられ円錐形に変形しつつその先端から激しく渦を巻きな
がら、
(排水溝に吸い込まれる渦をイメージしてクダサイ。)
ダリの柔らかい時計
  のようにぐにゃぐにゃになって、ソコに近づくに従って細くなり 螺旋状に回転しなが
ら吸い込まれていくではありませんか!
 
 
アぁ

 

 とカナシイ悲鳴とともに、光でも脱出できないブラックホールへと落ち込んでいき
 した。坊やの登っていた木が根こそぎ引き抜かれたのはもちろん、グリムの森全体
 も鳴門の渦潮のような大渦に飲み込まれてしまったのでありました。

 それだけではありません、たちまちその力は百万個の怒涛の逆竜巻となってこの世
 にも及び、遂には地球ゼ〜ンブ、ナニモカモ、イッサイカッサイ飲み込んでしまい
 ました。

 地球ばかりではなかったのであります。その力は、お月さま、お星さま、遠く宇宙
 の果ての銀河にまで及び、こうして世の中一切がサリーちゃんのソレに吸い込まれ
 消滅したのでありました。


    あとに残るのはサリーのかすかな意識と無限の沈黙だけでした。














































どこからともなくおごそかな声が響いてきました。



サリーよ、サリー! よくぞビッグクランチをおこしてくれた。

このカオスと苦しみに満ちた世界をワシはどうにもできんかったのじゃ。


アリガトー、礼をいうぞ。

お前の胎内には宇宙の材料がすべて詰まっておる。

ビッグバンをおこして宇宙を蘇らせたくばお前の意のままじゃ。

じゃが言っとくぞ。調和と歓びだけの世界を産むのじゃ。

まかり間違っても人間をスケベエに作ってはならんぞ!

諸悪の根源はソレにあるのじゃからのう。

では頼んだそ、サリー。お前の責任は重大であるぞよ。


さらばじゃ・・・


たのんだぞ

たのんだぞ

たのんだぞ

たのんだぞ

たのんだぞ

たのんだぞ

たのんだぞ

























アレができない世界なんてなんてつまんない!

・・・・でも産んでやる!

宇宙ゼ〜ンブスミカラスミマデ天国にしてやるわ!


意のままに作れると言ってたわね。

そんなら○○○さんとムスバレちゃおう!

ビンボーニンは厭世主義者みたいだから産まずにおいてヤロウ。
(ようゆうてくれはった、さりさん。くれぐれもタノンマッセ。)

でもまたえっちな童話書かせたいから登場させちゃおうかな〜。

(後生ですから、それだけはどうぞゴカンベンを。)




おしまい





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 いくつかの動く素材は、こちらさまよりお借りしました。




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