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井蛙の戯言






ニッポンジンの醜悪さ 
2006/4/17

 もう20年も前の岩波月刊誌・「世界」の特集「滅びゆく地球」に、作家
の中野孝次が寄稿していた「素人の心配」と題した記事の冒頭にこんな印象
的な一文がござったので、少々長くなりますが紹介いたしまする。




 
インドから帰った翌朝いつものように犬を散歩させに出かけると、近く
 の公園で、テニスに熱中する御夫人とみんな揃いのユニホームを着て野
 球をする少年達に出会った。いつも見慣れているその何でもない日常風
 景が、インドから帰ったばかりの私──私の眼にはまだあまりになまな
 まし汗に全身を黒光りさせながら大八車を牽く親子や、列車の窓か
 らほそい腕をのばして乗客に食べ残しをねだる兄妹の姿がこびりついて
 い──には、ょっするほど異常な光景に映じたのである。

 一体これは何かと私はいぶからずにいられなかった。だがこのゆたかさ
 は何かと考えたとき、亡くなった今和次郎さんがつねづね口にされて
 いたという「日本の繁栄は東南アジアの貧困の犠牲の上に築かれている
 のを忘れてはいけない」という言葉が腹にこたえるものとして
 たのであった。

中略

 別のときに私はテレビの画面で、バングラデシュのどこかの漁村が映っ
 ているのを見た。トタン葺きの屋根の下に灰褐色のエビの山があって、
 貧しげな女たちがせっせとエビの処理をしている。彼女らは日給二、三
 ルピーで働いている、と説明があった。

 女達の一人が顔をあげ、「自分達は獲るところにいてエビを食べること
 ができない。なのになぜ日本人はこれを食べられるほど金持ちなのだろ
 う」と言った。そのときも、日本の食堂や家庭で食いちらかされている
 エビフライを思い浮かべ、一体これは何かと考えさせられた。

    何も東南アジアの貧困だけやおへんでネーサン。ワレラの健康は医薬品
    ──ウサギ猿は数知れぬ実験動物の犠牲があるし、何より食卓に
    
のことオクえてみなはれ。






 これを読んだとき拙者はハゲシイ自責の念に駆られたものでありました。
当時からヒドイ貧乏に喘いでいたとはいえ、インドやバングラデシュの人々
から見れば
天国のような別世界に住んでおるのをイヤでも認めざるを得な
ったからであります。(20年も書籍ならぬ
雑誌”をタイセツに保管してお
るのは、
このときの気持ちを忘れたくないからでござる。)
おことわりしておきまするが、だからといって敢て日本一の○○○
堕ちこんだわけでは決してゴザイマセン。
それどころか
何とかユタカになりたいと、もだえあがきまくってのスエ、
とうとうこうなっちゃったのであります。(
オオワライ
マ、結果的にはこういう文を書く資格を少しはカクトクしたことになりもうすが。

 イメージしていうなら、ニッポンコクという繁栄を謳歌する家の床の下に
は何億という痩せ細った人々がいて、全員が折れそうな腕をのばし床が沈ま
ぬよう必死に支えている
我々はそれには目もくれず、あるいは気づかず、




と蚤のごとく
弾けるように
活発に飛び跳ね回っている。──我々が太れば

ほど豊かになればなるほど彼等を苦しめるわけでありますからし思え
身震いするほど罪深いことではあります。

 また拙者はよくこんな場面を想像いたします。──雪の降る寒い寒い夜
暖房で汗ばむほどの部屋でご馳走に舌鼓をうっている家族がいて、一方窓の
外には寒さと飢えでがちがち震えている
マッチ売りの少女がいる。

 このように対比させて思案するならば、

かさとは

ことでありますことァッ

 人類史上最も優しいお方とお見受けするキリストさまキリスト教混同な
さらんように。)が





 とおっし
るのも深く深く頷けまする。──もっとも、世界広しといえど
もそのお言葉を信じ実践しているのは
マザー・テレサはじめ指折り数えられ
るほどでありましょうがね。

 この頃あまり耳にいたしませぬが
ニッポンジンが”エコノミック・アニマル”
と貶
れたことがござったわなあ。思えばこれほどの侮辱はおまへんで、ねえ
ん。なにせ金の亡者守銭奴とサゲスマレれてるのとおんなじでっさかい
なあ。おかげで
いまやナ、ナ、ナントなんと何と世界一の金満国家にメデタ
クダイシュッセしてるらしいデスネ
。(我こそは日本一の○○ナルゾ!」
ワガハイもイバッてられまへん。そのせいで世界的にはランクが相当下がっ
てしまいましたわいな
。)

 世界一の
金満国家すなわち世界一醜悪な国家と成り下がたわけでござ
いますよ。
どうりで文化水準が最悪に堕ち込んでいるわけでおます先に申し
たように、テレビの俗悪さ加減、コ○ズミやホ○エモンみたいなオゾマシイ
蛆虫がうようよ這いずりまわりのさばり跋扈するはずでありまする。なんせ
今やニッポンはそういう蛆虫がわきだして然るべき
土壌、いや

になっちゃってるんでっさかいなあ。(先日のらいぶどあ騒動のときはじめ
て知ったのでありますが、ナント信じがたいことに小中学生までがネットで
株に手を出してるということでっせ。
モウオシマイドスワイナア!

 また金にあかせて世界の名画を買い漁り世界のヒンシュクをかっていると
いったことも話題になりましたわなあ。ニッポンジンのハシクレとしてあれ
ほど恥ずかしい思いをしたことはござらんかった。

 それに、飽食大国ニッポンとも言われてますやんか。なんでも給食の半分
以上は捨てられているらしいでっせ。世界の貧しい国では毎日何万人が飢え
死にしているというのに!
 日本中が吐き出すたった一日の残飯で世界中の
飢えた人々を
何ヶ月も養えると聞いたことがあり申すがナントモはや言葉
もでてきまへんわいな。

 そのほか、東南アジアや韓国への
バイシュンつあー、木材や食料の買占め
など一々挙げだしたらキリがおへん。
金満イコール醜悪というはず
おまっしゃろが、ネエサン。

ウーンッ!

思えば思うほどニッポンジンの醜悪さには








 ところで、突然話がメチャクチャソレルのでありますが、ここでひとつ、
これまで吐き出してきた我が毒気を中和する意味で、拙者の若いころ作った
カナシクモウツクシイ童謡をお聴き願いたいのでありますがいかがいたし
ましょうや、こひよねえさん。


 えっ
「ぜひ聴きたいものだわ。」ですとソレハそれはうれしゅうござ
ます。曲名はズバリマッチ売りの少女ただし歌詞とメロディーだ
けで
ざるがね。(上のほうにその名を出したのは、実はこうしたいためもあったのデス。)


お恥ずかしいことに、我ながらその余りのカナシサに
ゴーキューしたこともありまんにゃ。








法則 その6


豊かさと精神美は

反比例する!







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