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しりいず
死とはなにか






 死は存在しないことの証明

その3  我輩の大発見[A]

 本来ならここで「
生と死」に関する私メの"
世紀の大発見"につきまして滔々
とまくしたてたいところでありますが、それはお姉様にはすでにセッサク寓話
アイントン博士の大発明」にてその大意をご紹介いたしてオリマスモ、



とのジツにありがたくもモッタイナイご感想をゴ頂戴(メッチャハラタッタゾ!
クリスメッ!)
いたしておりますレバ、この際ウッチャッテおこうと思うわけで
ゴザイマス。たいへんシツレイながら、私メの"世紀の大発見"は、ねえさんの
ペンペラペン、アッ違うチガウ濃密なる脳味噌では歯がたたないこと明白でオ
マスさかいナ〜。




 死は存在しないことの証明

その4 我輩の大発見[B]


 何と驚くべきことに、この大天才ボーヤはもうひとつ別に"世紀の大発見"を
いたしてオリマスル。しかれどもそれについて詳述いたしますレバ、それこそ
また、「ツマンナ〜〜イ」を百回も連発されかねませんので、ここでは概略を
述べさせていただくにトドメマッサ。



  大 輪 廻

 先日オソレオオクモお姉様に
初対面させてイタダキマシタデスヨネ。トコロ
ガ何と信じられナイデショウガ実は「
初対面」ではなかったのでアリマスヨ。

 「エッ!ウソヨウソソンナコトウソウソウソゼッタイウソニキマッテル。」


 とノタマウ気持ちはよくよくワカリモウスがここはマア我輩を信じてお聞き
下さいマセ。

 「
初対面」でなくんば「再会」。それも二度目や三度目の再会ではアリャし
ないのでおますヨ。ナント"
無限回目の再会"だったのでゴザイマス。将来にお
きましてもやはり姉御とは"
無限回数"逢瀬を重ねることになるのであります。

 
三年坂の石畳を踏みしめイノダコーヒーの喫茶店、丸山公園の明治風レス
ラン、南禅寺と東山山麓を引きずり回しチャッタ場面。あれとソックリそのま
ままが、過去においても未来においても無限回数繰り返されたし、繰り返され
るのでゴザソウロウ。


 そのときの上空の雲の流れや形、拙者のそのとき吸ったタバコの煙のクユリ
具合まで、何もかもオンナジ。──とにかく"
完璧なる再現"。もしその一部始
終をビデオに収めていたとすれば、その繰り返し再生といえばイメージしやす
かろうと思いマス。

 
「ナンノコンキョガアッテソンナバカラシイコトイエルノヨ。」とのお言葉
ですが、それを説明いたそうとイタセバそれこそ
「ツマンナ〜〜イ。」の百連
発頂戴すること間違いおまへんサカイ、敢えて申さないことにいたしマス。

 ただこれだけは正直に申し上げてオキマショウ。私メ、この"
大輪廻"の考え
を長い間"世紀の大発見"と信じヒトリヨガッテおったのでありますが、あると
きものの本によりまして、
ニーチェだったかの哲学者が、何ともう百年以上前
に同様のことを主張いたしておるのを知るに及び愕然といたしたものでありま
した。それだけにはとどまりませんで、なんと何とニセン年以上の大昔、
プラ
トン
なども同じ"大輪廻"を唱えておったということを知ってシマイ、モウ気絶
しそうにナッチャッタのでございました。せっかくの"
世紀の大発見"という信
念がもろくもコッパミジンに粉砕されちゃったのでゴザイました。

 でも我輩は負けてはおりませぬ。ソレニモメゲズこの"
大輪廻"に関しまして
プラトンやニーチェの時代には気付かれようもなかったことを
マッタク独自に
大発見
いたしたからでアリマス。それは何と科学の最先端「量子力学」にカラ
ンダことなのであります。ムツカシイことは申しませんサカイ、どうか逃げず
に続きをお聞きくださいマセ、おねえさま。


  電 子 の 正 体

 お姉様の眼の前に突如忍術の天才
猿飛び佐助が出現したとイタシマショウ。
何を思ったかキャツメ姉さまをフワリと空中へ浮かべ、周りをサ−カスのオー
トバイ曲芸のように球形にグルグル回りはじめたではありまセヌカ。スピード
をグングンあげていきます。とうとうアンマリ早くなり過ぎてその姿を捉える
ことができなくナッチャッタトオモイキヤ、何とナント周りはキャツメでいっ
ぱいになってしまったではアリマせぬか。前にも後ろにも右にも左にも上にも
下にも。お姉様の周りの空間は四方八方すっかりキャツの姿で埋め尽くされて
おります。サテハさては
分身の術を使いオッタナ。

 その無数の猿飛び君、お姉様みてヨダレタラシテニヤニヤシテルと思ったら、
アライヤダいつの間にやらお姉様
スッポンポンのマルハダカにされておるでは
アリマセンカ!。前から後ろから右から左から上から、それにナント下からも
見上げ覗かれてチャッテル!!



 そうかナルホド姉さんを空中に浮かべ分身の術つかいヨッタ目的ワカッタ!
ぬうど鑑賞シトルンヤ。我輩も佐助チャンにアヤカリタァ〜〜イ。

 
「チョットチョットぼーや、この話ドコガ輪廻や量子力学と関係あるってユ
ウノヨ?。」


 とのお言葉ゴモットモですが、それはスグ明らかにしますサカイ今しばらく
ご辛抱を。

 サテこの分身の術により球形にお姉様を包囲した無数の
猿飛び佐助とソック
リ瓜二つなのが、何と驚くべきことに"
電子"──今や時代の花形、トップスタ
ー"
電子"なのでゴザイマス。

 原子核なるものを中心として、その周りを回っているのが「電子」というこ
とにナットリマスが、
その回るアリサマが分身の術の猿飛び君ミタイヤト量子
力学という学問は結論付けている
のでアリマス。

 ワタクシタチの感覚では、ある瞬間にはモノはワンポイントにしか存在でき
まへんでっしゃろ。7月7日正午に姉さまが福岡、東京、上海、おまけに京都
に同時にイルなんてこと天地がサカサになっても無理ドスワナア。電子にはそ
んな芸当ができるとゆうんやさかいタマゲチャイますヨネ。(
もしこのボクに
ソレガデキタラナニシヨウカナ〜。ソウヤ!エエコトオモイツイタ!
 セカイ
ジュウノ何千人ノ美女トイットキニアレシヨオ〜〜ット! モノスゴキモチエ
エヤロナ〜
。)

 チッチャナひと粒の電子が、原子核の周りのドコカにオルには違いないのに、
その居場所をつきとめラレナイ。強いていうなら、マルデ分身の術ツカイヨッ
タミタイニ

同時にどこにでもオル

モヒトツユウナラ、原子核の周りに

ボヤ〜と雲のように広がってオル


というマッタク奇妙キテレツ摩訶不思議なモンが電子なるものの正体ラシイで
っせ。

 
ソンナバカナコトガアッテモイイノデショウカ!

 でも
ソンナバカナコトを前提にして量子力学が成り立ち現在の様々な"IT"
技術が展開されておるんでゴザイマスカラシテ、ここはイヤでも信じなくちゃ
ならんと思うのでありますが、ドナイナモンデッシャロネ、おねえさん。
 
 ここにこうやってパソコン使ッチャッテ姉さんとやりとり出来チャウのも、
イッテミリャア電子が分身の術使っちゃってくれてるオカゲというワケサ。


 大 輪 廻 と 電 子 のフ シ ギ な 縁

 サアテ、ここらでいよいよメインテーマ、"
大輪廻"と「量子力学」を関連付
けなくちゃなりまセヌ。それがどこでどう結びつくかを述べる前に、今一度"大
輪廻"の意味について考察してみたいと思うのであります。
 (お姉様の人生が、過去にも未来にも無限回数あったしまたアルと無条件で
仮定いたしてもらわナクチャ話が前へ進みませぬので無理にでもソノヨウにし
ておいてくださいマセ。)


 ここでお訊ねしたいのでアリマスが、「
過去生」のご記憶アリヤイナヤ。
 
「ソンナモノアルワケナイジャン。ボーヤッテマヌケナコトキクノネ。」
 ソウあるわけオヘンワナア。

 
「ア〜〜!イヤダイヤダ、こんなイヤなオモロナイ人生を無限回も繰り返さ
ナクチャならんやなんて地獄の拷問よりヒドイヤンケ〜〜!」


 と、この私メも悲嘆にくれることはマッタクスコシモゼンゼンおまへんのド
スヨ。無限回ゆうても、タッタ「
一回キリ」とオンナジですもんね。
 ソリャ〜次回も次々回もその又次もという具合に延々とソレコソ無限に
地獄
の責め苦
(の記憶)が積み重なっていくものなら、こんな世にも
ソラオソロシイ
話はゴザイマセン。
 でも幸いナルカナ、過去世の記憶がまったくない,ということは、来世も再
来世もそのまた次も体験せねばならぬのは確かなのに実質的には体験できない
のと同じでゴザイマショウ。

 
この無限回数が一回と同等,というのがモノスゴク肝心な点でありますから
シテ、もう少しその意味を掘り下げてみましょうネ。


 
今現在すなわち現世は無限輪廻のどこかに在ることは絶対確実しかるに
今在る"現世"の位置─―大輪廻のズゥ〜〜ト前の一回なのか、それともワリト
最近なのか、それとも未来のどこかの一回なのかを決定できない。決定しよう
がない。(未来であるわけなんかナイと軽々しく断定デキマセヌヨ。なんとな
らば無限輪廻の世界には過去とか”未来とかの概念が通用するものかどう
が甚だ疑わしいからであります。)


 この点に思念を集中してフカ〜〜ク深く思いを沈めてみれば、次のように申
しても決して間違いではナイと、拙者は確信いたしておるのでゴザイマス。


現世──まがうことなき絶対確実、今、現在、今世は

どこにあっても同じ。

モヒトツ踏み込んでいうなら


同時にどこにも在る

ボヤ〜と雲のように広がって在る。


「アレッボーヤ、ナンダカサッキオンナジヨウナコトイッテタキガスルワ。」


 ソウ、そうなんですお姉様。「
電子の摩訶不思議な生態」について、まさに
「オンナジヨウナコト」をゆうておりましたワナア。

 電子もまた、どこか(無限個所のどこか)に位置しているのは絶対確実なの
にかかわらず、どこにあるかを決定しようがない。敢えていえば、同時にどこ
にも在る。
ボヤ〜と雲のように広がって在る,と。


 
ホウレ、ゴランアレ! ミゴトに結びついたじゃゴザンセンカ!。


大宇宙の大輪廻という超々々々々々大スケールと

電子という超々々々々々小スケールとの

この不思議極まる一致!













ダカラドウダッテユウノヨ


 チョ、チョ、チョット待ってくださいマセおねーさん。 
 「
ソレヲイワレチャオシメイ」なんでございます。クヤシイカナハガユイカナ、
ワガハイはいまだそのご質問に答えられないのでゴザイマス。
宇宙の神秘」という大高峰を八合目まで登り詰めたような気はしておるんで
アリマスが、残り「二合」というのがソレハモウ垂直に切り立った断崖のよう
でありまして、行方をはばまれハタと立ち往生しておるのでございます。モウ
何十年も一歩も前進カナワヌままにおるのでゴザイマス。

 ただ、「
モノノアリヨウ」についてのこのモノスゴク
オソルベキ一致はただの
偶然ではない
気がいたしておりまして、どうもココラアタリに"宇宙の秘密"が
隠されているように思えてならないのでアリマスが。・・・

 モットモそうは申しましても、我輩の"
世紀のダイハッケン"なるものは、ソモ
ソモ
バカゲタ大妄想に過ぎない可能性もオオアリでありますがね。

 
「デモマアナントトテツモナイ超特大スケールのボーヤノ頭の中!クリス
ンシンシタワ。タマゲチャッタワ。モウボーヤメッチャソンケーシチャウ。」


 
・・・・ とはユウてモラエマヘンヤロネ。

 
「アタリキシャリキケツノアナブリキヨ(関西では「当然」という意でこう
言いまんにゃ)
。ウヌボレナイデ!ソンナアホミタイナハナシシンジルヒトナ
ンカイルモンデスカ。」

ウ〜〜ンウ〜〜ンウ〜〜ン

クソォ〜〜クソォ〜〜クソォ〜〜!

クヤシイケドソウデッシャロネ、ヤッパリ。
ションボリ シュン・・・・・・・・・・・・。


※ ナンダカ少し本論文の主旨「
死は存在しないことの証明」からズレてしま
ったオモムキがありますが、「
生の無限の繰り返し」はツマルトコロ「死は存
在しない
」ことの「裏側からの補強説明」になるんではないかと思うておる次
第でおますニャケドネ。 単なる妄想であるなら、意味なんか蟻サンのオヘソの
ゴマほどもオマヘンガネ。


トドメにイマイチド念を押しておきましょう。

無限回数がたった一回にしか捉えられない。また



が無限回数のどこかに位置しているのは

絶対確実なのにかかわらず、

どこにあるかを決定しようがない。

敢えていえば、

同時にどこにも在る!


次号に続く




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