あ | (2) 針金になったメガネ | あ |
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○ | あれからもう何十年経過したにかかわらず、 憶いだすたび、上の小噺以上に吹き出さずにはいられない 我が家でボッパツしたジケンを紹介いたします。 ワタクシが10歳前後の頃のことだったと思います。 夕食が終り、後の部屋で早ばやと寝床にもぐりこみ寝酒していたオヤジが突然、 |
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と物凄い絶叫とともにドタドタッと跳ねまわるような音がしました。 ビックリして振り返ると・・・ 寝煙草しようとして擦ったマッチの火が、 誤ってセルロイド製のメガネの枠に燃え移ってしまい、 蒸発したかの如く一瞬のうちに全焼してしまったのでありました。 払いのける暇もなかったとみえ、 むき出しになった針金をかけたまましゃがみ込んでおりました。 その針金からは煙が立ち昇っておったのが 今でも鮮明に瞼に焼き付いております。 (不思議にもヤケドはしていなかったみたいです。) 当時セルロイドというのは 燃えやすいものの代名詞でありました。 以後見聞したいかなる笑い話も、 この憶い出には敵わないのでございます。 |
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