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あ | (21) 屑鉄オジサン 2 | あ |
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○ | でありました。 ※鉄屑工場のことですからそんなものはゴロゴロ転がっているでしょう。 また盗むつもりで素早く拾いあげフトコロにしまい込んだところを発見されようが 誰も咎めたりはしないと思われます。たぶん10円にもならんでしょうからね。 そのシアワセイッパイのおじさんを見て、その時初めて私は このおじさんにとっては、他の人には一文の値打ちもない屑鉄が 命ほどにも大切な (ただし拾うなりしてムリョーで得たもの,という条件つきでありますが。) 私が30半ばの頃、いつの間にやらおじさん一家は引っ越していきました。 といっても2KMも離れていない近くにでしたがね。 そして屑鉄の山は手放すことなく、おじさんは”本社”へ”通勤”しておりました。 その2,3年後我が母が何かの用で移転先へ訪ねていったことがありまして、 帰宅後ヒドクあきれ返っておったものでございました。 なんと移転先もこちらとまったく同じで、屑鉄に埋まっておるというのであります。 蟹歩きしなければ奥に入れないとかも何等変わらず、 あの人ビョーキに違いない! 奥さんもつくづく嘆いてはったよ。 あの性分何とかならんもんやろかいな? ほんまにモウ! とエロウ憤慨しておりました。 (私もその後その前を徐行しつつ通りかかりましたが、”家”の体裁だけは何とか保っておりました。) ちょうどそのころ、また鉄屑整理を頼まれ(数回目になりましょう。) 今度は少し遠い空き地へ連れていかれたのですが、 (もしこの土地もおじさんの所有ならそれこそ大財閥!) 山こそ築かれてなかったものの100坪以上と思われる土地いっぱいに 古タイヤなどが汚くミニクク散乱しておりました。(几帳面なおじさんらしからぬこと!) その時近隣の人が目ざとくおじさんを見つけ駆け寄ってきて、 カンカンに怒りながら文句を捲し立ておりましたが、 そのうちの一言が今もって忘れられません。 「アンタは千円稼ぐのに十万円の手間を惜しまん人ジャ!」 詳しくは申せませんが、そういう意味では私も似たところがあり、 「ナルホド、うまいこというもんやワイ!」と妙に感心したものでした。 昔からそうでしたが、何をボロカスに言われてもおじさんは うなだれうなずくばかりで言葉を返すことなど一切ありませんでした。 (だからといって人の話を聞き入れたことなど絶無だったに違いありませんがね。) いやはや アクの強いおじさんでありました。 でもなぜか付き合えば付き合うほどに ダイスキ |
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あ | ||||
たとえピッカピカに磨かれ塵一つ落ちていない ものの一年も経たぬうち
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とね。 |
ふろく
終りに、このおじさんを”材料”にオカリして人間の”走性”といったものについて ちょっぴり考えてみたいと思うわけであります。 と申しても生物学で使う厳密な意味でのものではゴザイマセンで、 はやい話が、オトコはオンナへの走性を持っている, といった程度の隠喩的コウサツであります。 さて人間には万人万様の個性があるものです。 コトの善し悪しは別にすると、それが強い人ほど大事を成すとも云えますが、 社会人として生きるために通常その個性、すなわち心の傾き、すなわち
を抑制しておるものです。 くだいていえば、ミンナみんな
でないと世の中大混乱に陥ること必至であります。 例えば、繁華街なんかでは男女が見境いなく吸引し、カ○ミアイ その発するヨ○リ○エで耳を聾するばかりになってしまいましょう。 このハタ迷惑かつステキなおじさんの走性は、 それが誰もが持っている金とか名誉、色とかへ向かわず、たまたま “屑鉄” へと向かってしまったのでありましょう。 そしてその抑制というブレーキが不幸にして完全に ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ |
といえるのではありますまいか。 ブ○シュなんかは戦争への、コ○ズミなんかは権力への、 ほ○えもんなんかは金への走性の ブレーキが破壊されている好例といえるでありましょう。 こういうおぞましいヤツラに比すまでもなく、屑鉄おじさんはそれこそ 存在でありました。 (と、残念ながら過去形にしなければなりません。わけは↓ 。)
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○ | 了 |
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おっちゃんよ〜! いまごろこんな夢みたいな世界で遊んでるかもしれへんナ〜。 まさか天でも屑鉄積み上げとるんやあるまいナ〜〜! おっちゃんのこっちゃからやりかねへんナ〜? どっちにしてもさぞタノシンデおるこっちゃろ〜。 もうすぐボクチャンもそっちへ行くさかいイッショにアソボーナ〜。 そやけどワガハイはムリカナ? 刀葉林に送られるにキマットルもんナ〜。 |
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ペガサスは | こちらさま | よりお借りしました。 |
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