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(22) 感動体験


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かれこれ20年ほど前ある著名な文化人福田恆存だったかな?)が言っておりました。

今の日本には刺激こそあれ
感動というものがナイ!

とね。

世の中それ以後ますますその傾向に拍車がかかっているように思うのは、
何も私一人ではありますまい。
そのせいか、私も長いあいだ感動なるものを忘れてしまっております。


これは日本に限ったことではなく世界的な傾向のように思えます。
携帯やネットの普及後のことですから、そのことと無関係ではないような気がするのですが。

連日のように報じられる殺人事件。ほ○えもんのようなおぞましい人間の跋扈。
小中学生までがネットで株取引にのめり込んでいるというこの世相。
こ○ずみがやっと姿を消してくれると思っていたら、
核を持ってしかるべきと言って憚らない、
また霊感商法のトーイツキョーカイに祝電打つ○べみたいな
もしかしてこ○ずみよりずっとタチのワルイ男を
ソーリデージンに祭りあげようとしているワガニッポン!

こんな世相のどこに感動があるというのでありましょうや!
(勿論見えないところでは感動的出来事がいっぱい起こっている違いありませんが。)


映画一つをとっても、昔は”禁じられた遊び” ”汚れなき悪戯”
”ライムライト” ”鉄道員” ”ローマの休日”
などなど
いわゆる”名画”と呼ばれる感動作品がたくさんあったものですが、
近ごろは”スターウォーズ” ”ジュラシックパーク”に代表される
巨費を投じた刺激作品ばかりが目につくようになってまいりました。
(最近映画を全く見ないもので当を得たハツゲンではないかもしれません。)



映画の話になったついでに私が最も感動した作品を言わせてもらいますと、

フェデリコ・フェリーニ監督
アンソニー・クイン&ジュリエッタ・マシーナ主演

とくれば、そう


(上の枠内をクリックしてもらえば、一部ですがその動画が見られます。)

であります。

貧しい知恵遅れの娘"ジェルソミーナ"と荒くれ大道芸人"ザンパノ"
といういわば人の世の底辺に生きる人間の道行きを描いたこの映画には
タマシイを根こそぎ鷲掴みされメチャクチャに揺さぶられるような
モノスゴイ感動に打ち震えたものでありました。

もしこれまでに作られた何十万、何百万本かの
全映画コンテスト
が開催され私が審査員だとすれば
ダントツのグランプリ
に推すことでありましょう。

特に次の2つのシーンにはナカサレました。

ジェルソミーナが旅の途中知り合った男との会話で「私は役立たず!」と嘆くと、
男が道端の小石を拾い上げて

「この世に役立たずなんてものはない。ほれこの石ころだって
きっと何かの役にたっているんだ。だから君だって。」


と慰めますと、ジェルソミーナが嬉しそうに目を輝かせる,という一場面には、
今思い出しても胸が詰まってきます。

上に紹介した解説には”映画史に燦然と輝く名言!”とあります。
ワタクシメのようなニンゲンのクズと自認しているものには、
まさに神の声に聞こえたものでありました。

もう一つはラストシーンです。
ジェルソミーナの死を知ったザンパノがその夜飲んだくれて
浜辺の砂に突っ伏し「俺は独りだ!」と嗚咽慟哭する姿には
衝撃的といっていい強烈な感動を受けたものであります。
 ここに  一部分ですが、動画があります  

ジェルソミナ〜
オ〜ジェルソミナ〜

ニーノ・ロータのこの主題歌も心に染み入るいい曲でありました。



上の写真をクリックすれば、素晴らしい解説ページに飛びます




もう一本だけ映画を紹介いたしましょう。ドキュメンタリーでこれもイタリア作品の

”世界残酷物語”
↑に詳細記事あり。

タイトルからして感動とは縁がなさそうに見えますが、
ナカナカドウシテ!

詳しくはリンク先をご覧いただくとして、
ここではいったいどこに感動したのかだけを述べようと思います。

生きている牛の首を大刀で一刀のもとに切り落とすなど、
世界中で行なわれている様々な残虐シーンを辟易するほど見せらたあと、
画面は一転、高い塀に囲まれた静かな街角が映し出された,と思うや、
突如どこからか一頭の馬が猛然と駆け出してくるのであります。
すると一人の男が飛び出してきて馬を鎮め
馬とともに石畳の道をどこか遠くへ去っていく・・・・・

というところでラストになります。

「屠殺場から逃げ出す馬がたまにあり、男はそれを辛抱強く待ち構え、
捕まえたのを買い取り自分の牧場で生き永らえさせてやる。」


とのナレーションを聞いて私は震えるほど打たれたものでありました。
(それまでの場面とのコントラストが鮮やか過ぎるせいもあったでしょうが。)





本当は、まだいくつか印象深い映画を紹介いたしたいのでありますが、
長くなりそうなので、次に進みたいと思うわけでございます。





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